
量子コンピュータは次世代の計算技術で、現在は従来型コンピュータと組み合わせた ハイブリッド利用が主流です。特に量子コンピュータは、配送ルートの最適化等で使用される 組み合わせ最適化問題に強みがあり、データ分析に基づく広告配信にも応用が期待されています。国内外で実証実験から限定的な本番利用へと進む事例もあり、マーケティングや金融分野でも 効果検証が行われています。
SMBCデジタルマーケティングは、グループ各社のオウンドメディアや外部メディア等への 広告出稿をデータ分析等で支援する「広告・マーケティング事業」と、顧客のマーケティング課題の解決や高度化を支援する「ソリューション事業」を展開しています。スマートフォンアプリ における広告配信では、顧客属性情報やアプリ利用データ等の多様なデータが紐づいており、 高度な分析による改善余地が見込まれます。
本実証は、量子コンピュータを活用した特徴量選択等のアプローチを広告配信領域に適用し、 従来の機械学習のみの手法と比較して、効果を確認することを狙いとしています。
本実証では、量子コンピュータの分析手法を用いた「QFS(量子特徴量選択)手法*1」等の、量子コンピュータと機械学習を掛け合わせた量子AI技術の有効性を検証しました。
具体的には、三井住友銀行のスマートフォンアプリにおける広告配信の分析・レコメンドを対象領域とし、QFS(量子特徴量選択)手法を使って実証を行いました。まずは年齢、性別、居住地、世帯年収、ライフイベントなど、各アプリユーザーが持つ41の特徴量の中から、どの特徴量を用いて計算するのかを検討しました。不要な特徴を削ることで、学習および推論時間が短縮できる上、過学習を防ぐことができます。QFSで絞り込んだ10個前後の特徴量をAIに機械学習させ、アプリ広告のクリック率(CTR)の向上が見込めるかを検証しました。
CTR向上につながる検証観点としては、ターゲティング精度(例:クリック率推定など)、解釈性(重要特徴の可視化)等が挙げられます。今回の実証実験により、これら検証観点への有効性が確認できました。
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*1) QFS(量子特徴量選択)手法:量子コンピュータの分析手法を用いた手法。年齢、性別、住所などの項目から重要なもののみ選択して不要な特徴を削ることで、学習および推論時間が短縮できる上、過学習を防ぐことができる